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歯医者が考える正しい歯磨き粉の選び方
(インプラント・セラミックをご利用中の方にもおすすめ)

お口の健康を整えるためには毎日の正しいホームケアが重要ですが、ちゃんと歯が磨けているか(ブラッシングが適切か)に加え、どんな成分の歯磨き粉を使っているかも正しいホームケアを行ううえでとても大事な要素です。
本コラムでは、選ぶべき歯磨き粉と選ぶべきではない歯磨き粉をご紹介するのに加え、インプラントやセラミックが入っている方に特におすすめしたい注意点などについてもご紹介いたします。
せっかく入れていただいたインプラントやセラミックを長く綺麗に使っていただくための歯磨き粉の選び方、歯科医がおすすめする歯磨き粉を選ぶ際のチェックポイントとしてご活用いただければ幸いです。

歯磨きに入っているとダメな成分

ラウリル硫酸ナトリウム

ラウリル硫酸ナトリウムが含まれている歯磨き粉を使っている場合、すぐにでも使用する歯磨き粉を変えることをお勧めします。
本成分は人体に非常に有害な成分であり、
・炎症を起こす原因になる
・発がん性がある
という理由から、本成分が入っている歯磨き粉の利用は控えることをお勧めします。
海外ではラウリル硫酸ナトリウムが入っている歯磨き粉を水槽に入れ、魚が死ぬ動画をYoutubeが公開され、大きな話題になりました。
ここまで有害であるにも関わらず歯磨き粉にこの成分が入れられている理由は
・発泡性があり泡立つので磨いた気がする
という事だけです。
この成分を入れることで歯科的なメリットは何一つありません。
入れるメリットがないにも関わらず大きなリスクを伴うため、ラウリル硫酸ナトリウムが入っていない歯磨き粉を選ぶことをお勧めします。

研磨剤(炭酸カルシウム、ケイ素、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)

研磨剤とは文字通り歯を研磨して表面の汚れを落としたり、歯を白くする成分です。
研磨をすることで一見綺麗になったように感じますが、歯の表面のエナメル質がすり減ることで歯が弱ってしまうのと、歯の表面、インプラント、セラミックに微細な傷がついてしまうことで余計に汚れや着色が付きやすくなってしまいます。

フッ素 (インプラントが入っている方)

フッ素はチタンの腐食を進めてしまうため、インプラントが入っている方はフッ素入りの歯磨き粉の利用を控えることをお勧めします。
2016年の11月、フッ素研究会より「9,000ppm以上の高濃度フッ素を含有するフッ素塗布剤では著しいチタンの腐食が認められ、pHと溶存酸素濃度が低い口腔内環境では、さらにチタンの腐食が進む」と発表がありました。
9000ppm含まれている歯磨き粉は存在しませんが、濃度が低くても毎日のことですから避ける方がお勧めです。国際的にはドイツ、スウェーデン、オランダはインプラントの有無に関わらず歯磨き粉にフッ素を使用することが禁止されています。

過度な漂白成分(過酸化カルバミドなど)

最近、「ホワイトニングができる歯磨き粉」や「美白になる歯磨き粉」と謳われているものをよく目や耳にしますが、この中には漂白成分が強いため一時的には白くなるものの、色がまだらになってしまったり、余計に着色が付きやすくなってしまうものもありますのでご注意ください。
歯の漂白は頭髪のブリーチと同じイメージです。
美容院でプロが行うブリーチではなく、濃度が弱いブリーチ材を毎日自分で髪に振りかけ続けることをご想像ください。イメージ通りの色にならないだけでなく、髪にダメージがかかりそうではないでしょうか?
ちゃんとした美容院で、ちゃんとした薬でブリーチし、しっかりトリートメントを行なって初めて、ダメージが少なく、思い通りの色に仕上がるはずです。それは歯も同じです。
同じ美白成分でも「酸化チタン」など歯にダメージのない成分のものを選ぶといいと思います。
*強い漂白剤と研磨剤の両方が入っているものは絶対にお勧めできません。
 利用することで歯へのダメージも大きく、着色が非常につきやすくなります。

歯磨き粉に入っていてほしい成分

基本的には前述した「入っていてはいけない成分」が入っていないことが重要なのですが、その上で、口の中の細菌叢を整えることがホームケアを行ううえで大切です。
悪玉菌や善玉菌という言葉があるように、口の中も悪い細菌といい細菌が存在します。歯磨き粉を成分で選ぶ場合は「悪い細菌を殺菌して良い細菌は残してくれる」ような成分で構成されている物をお勧めします。
口の中の細菌叢を整えることによって、
・虫歯や歯周病の予防
・肌や血液、心臓、脳などのアンチエイジング効果
を期待することができます。
逆に口の中の細菌叢が悪い方は、デトックスの反対の状態(悪いものを体に取り込む状態)となるため、虫歯や歯周病になりやすく、肌、血液、心臓、脳にも悪影響が及びます。
口の中の悪い細菌が多くなるとなる痴呆症や心筋梗塞のリスクが上がることも最近の研究で明らかになりました。テレビ番組でも取り上げられていたので、見たことがある方もいるのではないでしょうか。

エリスリトール

従来の成分では太刀打ちできなかったミュータンス菌(強い悪性菌)やバイオフィルム(細菌の塊)に作用します。キシリトールよりも「う蝕予防効果」が高く、歯周病予防にも効果があります。

マスチック樹脂

口腔内の常在菌には強い抗菌作用は発揮せず、歯周病菌にのみ強力な効果を発揮します。 そのため、口腔内に必要以上のダメージを与えず 口腔内のバランスを保ったまま歯周病菌を抑制することが出来ます。良い細菌は残し、悪い細菌だけ攻撃してお口の中の細菌叢を良くする効果があります。

ヤシ油(ココナッツオイル)

抗菌作用があり、細菌やウィルスから身体を守ります。免疫力もアップし、虫歯や歯周病を予防する効果があります。

ハッカ油

ハッカ油には歯根膜線維芽細胞の増殖を促進する効果があります。また、医薬品の有効成分(止血成分)として知られる「カルバゾクロム」が歯根膜線維芽細胞においてコラーゲン産生を促進し、さらに、コラーゲン分解を抑制する酵素「TIMP2」の産生を促進します。これらの結果はハッカ油とカルバゾクロムが歯周組織再生の基盤となる作用をもつことを示すもので、歯周病で崩壊した歯根膜の修復に貢献します。

三リン酸5ナトリウム

歯の表面のコーティングと再石灰化の促進、組織を再生させる効果によって、歯ぐきを健康な状態に再生させ、他の配合成分とともに歯周病菌やむし歯菌を抑制し、口臭の軽減にも効果があります。

ユーカリ葉エキス

血行促進作用があり筋肉痛や肩こり、頭痛などの緩和が期待できます。その他にも、抗菌作用やダニ予防、口臭を軽減する効果も期待できる万能な香りです。

ヒノキチオール

口の中の歯周病原菌を減少させ,炎症を緩和させること により、歯を支える骨が溶けるのを防ぎます

セチルピリジニウムクロリド

口の中やのどの粘膜で細菌の増殖を抑えます。

シメン-5-オール

タンパク質、歯の黄ばみを除去します。虫歯、歯周病を予防します。

酸化チタン(食紅白)

酸化チタンが歯の表面の汚れで出来た凹凸を除去し、滑らかにすることでツルツルになります。 歯の表面にはそれまでの食生活や着色要因にさらされることによって汚れが付着しています。 また、白色に美白効果もあります。

peg-60水添ヒマシ油

歯面の汚れ落とし

コカミドプロピルベタイン(ヤシ油脂酸アミドプロピルベタイン液)

両性イオン系汚れ落とし

クエン酸、クエン酸ナトリウム

ペリクル除去

いい歯磨き粉を使う意味

高齢の方に「若い時にきちんとしておけば良かったと思うことは何ですか」と質問した時、男女ともに多くの方が「歯」と回答されます。
お口の健康は快適な食事につながり、快適な食事は全身の健康につながります。
また前述の通り、口の中の細菌叢を整えることもアンチエイジング的にも、健康面から見てもとても重要です。
ホームケア(歯磨き)は毎日のことですから、身体やお口によくない成分が入っている歯磨き粉を毎日使うのと、いい成分の歯磨き粉を使うのでは結果に大きな差が出ます。
例えば、Aさんが10年間適切な磨き方でいい成分の歯磨き粉を使ってホームケアするのと、
入っていてほしくない成分の歯磨き粉を使ってホームケアするのでは10年後の老け方もお口の健康状態も全然違うと思います。
これは化粧水やシャンプーも同じです。
私は30歳手前からシャンプーや化粧水も自分の中ではいいものを選択しているつもりですが、もしラウリル硫酸ナトリウムなどが入っている市販のシャンプーや、あまりよくない化粧水をずっと使い続けていたら、髪質も毛量も、肌質も今とは全く違ったと思います。
毎日せっかくホームケアをするのなら、良い成分のもので行ったほうが、絶対にいいと思います。
歯磨き粉を選ぶ時には何が入っているのかしっかり確認して購入することをお勧めします。

監修・執筆

医療法人社団さとうDC
理事長佐藤悠野

当コラムは2023年8月14日に医療法人社団さとうDC 理事長の佐藤悠野が執筆しました。
2021年11月22日に医療法人社団さとうDC 理事長の佐藤悠野が「インプラントの敵」を追記しました。
本文の内容を無断で転載することを禁止します。

歯とインプラントのことを本気で考えた歯磨き粉

お口の健康を守るためには適切なホームケアとプロフェッショナルケアが大切です。また、適切なケアによって口のなかの細菌叢を良くすることは、虫歯、歯周病、口臭予防にも繋がり、肌や血液、心臓にも良いため、アンチエイジング効果も期待できます。「デンタルペーストさとう Implant & Tooth」は当法人理事長兼恵比寿本院院長の佐藤悠野が監修した、歯とインプラントのことを本気で考えた歯磨き粉です。