インプラントは痛い?痛いといわれる原因と対策法を徹底解説
インプラント治療は歯を失った際、多くの人が検討する方法です。しかし、いざ手術するとなると「痛みを伴う」と嘆く声が多いといわれています。しかし実は、手術中の痛みはほとんどありません。では、なぜインプラント治療が痛いと思われているのでしょうか。
本記事では、累計10,000本以上のインプラント症例を手がけ、全国第3位の実績を誇る「 さとうデンタルクリニック 」のノウハウをもとに、インプラントが痛いといわれる原因について解説します。さらに、手法別の痛みや術後の痛みを抑えるポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
インプラントで痛みを感じるのは手術後
実は、インプラント治療において痛みを感じやすいのは、 手術中ではなく手術後です。です。手術中は局所麻酔を使用するため、処置の最中に痛みを感じる心配はほとんどありません。痛みを感じやすいのは、麻酔を注射する際の刺激や、抜糸時の違和感程度です。
手術そのものはしっかり麻酔が効いている状態で進められるため、患者に大きな負担はかかりません。術後は歯ぐきや骨に処置された影響により、腫れや鈍い痛みが生じることがあるものの、数日から1週間程度で和らいでいくでしょう。
このように、インプラント治療の痛み対策は、術中よりも術後の方が重要です。
インプラントの痛みレベルを徹底比較
「インプラント治療は痛い」といっても、どの程度の痛みなのか気になる方も多いのではないでしょうか。痛みのレベルを事前に知っておけば、心の準備にもつながるため、ぜひ覚えておきましょう。
ここでは、歯の代表的な治療法である虫歯・歯周病の痛みと、親知らずの抜歯による痛みを挙げて比較しています。治療前の参考にしてください。
虫歯・歯周病の痛みと比較
虫歯や歯周病の痛みは、歯の神経に直接炎症が起こるため、ズキズキと強く続くことがあります。一方、インプラントは局所麻酔を使用して手術を行うため、治療中に強い痛みを感じることはありません。
術後に腫れや軽い痛みを感じる場合もありますが、それは炎症が広がる虫歯や歯周病のような持続的な強い痛みではなく、鎮痛薬で抑えられるレベルです。そのため、インプラントの痛みは、多くのケースで虫歯や歯周病の痛みと比べると軽い傾向にあります。
親知らずの抜歯と比較
親知らずの抜歯は、生え方や位置によって処置が複雑になるため、術後に痛みや腫れが強く出やすい治療です。特に、横向きに生えていたり骨に埋まっていたりする場合には、歯ぐきを切開して骨を削る必要があり、体への負担も大きくなります。
処置範囲が広い分だけ術後の炎症や不快感が強く出る傾向があります。そのため、数日から1週間以上にわたり強い腫れや痛みが続くことも珍しくありません。
それに比べてインプラントは計画的に処置を進めるため、術後の痛みや腫れの程度は親知らずの抜歯より軽く、回復も比較的スムーズです。
術後に痛みを感じる原因5選
術後は麻酔が切れるため、痛みが出るのはごく自然な反応です。しかし、痛みがなかなか治らない場合、治療による痛みではないかもしれません。
そのため、痛みが出る原因を理解し、万が一のトラブルに備えましょう。ここでは、術後に痛みを感じる代表的な5つの原因について解説します。
外科手術による外傷を受けているため
インプラント治療は歯ぐきを切開し、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む外科手術です。そのため、処置直後は体が外傷を受けた状態となり、2〜3日ほどは腫れや鈍い痛みを伴うといわれています。
これらの症状が出る理由は、傷口の修復過程で炎症反応が生じているためです。そのため、時間の経過とともに回復していくのが一般的です。もし、痛みが酷かったとしても、鎮痛薬を適切に使用すれば症状を和らげられるため、必要以上に不安を抱く必要はありません。
インプラント周囲炎になっているため
術後1週間以上経過しても痛みや腫れが続く場合、インプラント周囲炎になっているかもしれません。インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯ぐきや骨に細菌が感染して、炎症が起こる病気です。
症状は歯周病によく似ており、歯ぐきの腫れや出血を伴うほか、進行すると顎骨を溶かしてインプラントを支えられなくなる危険性があるため注意が必要です。早期発見できればクリーニングや殺菌洗浄で改善が見込めますが、放置するとインプラントの脱落になりかねません。そのため、違和感が長引いている場合、早めに歯科医院で受診してください。
禁酒・禁煙ができていないため
インプラント治療後に飲酒や喫煙をしてしまうと、傷口が開いたり出血が止まらなかったりする可能性があります。なぜなら、お酒に含まれるアルコールには血行を促進させる効果があり、タバコには傷の治りを遅らせるニコチンやタールが含まれているためです。
特に、タバコに含まれるニコチンには傷の治りを遅らせるだけでなく、インプラントと骨の結合を阻害する悪影響もあります。その上、細菌感染のリスクも高まるため、術後の喫煙は非常に危険です。そのため、症状が落ち着くまでお酒とタバコは控えましょう。
刺激の強いものや硬いものを摂取しているため
術後は食事にも気を配る必要があります。辛いものや酸っぱいものなどの刺激の強い食べ物は、傷口にしみたり炎症を悪化させたりする可能性があるため、控えることをおすすめします。特に術後3日ほどは、こうした刺激物は避けると安心です。
また、硬い食べ物も術後すぐ食べるのは避けましょう。なぜなら、硬い食べ物を噛むと患部に強い負荷がかかり、インプラントの安定を阻害する可能性があるためです。そのため、食べ物を食べる際は治療を受けた側で噛まないように意識しましょう。
【手法別】インプラントの痛みについて解説
インプラント手術は1パターンではありません。患者の骨や歯ぐきの状態に応じて手法が変わるのが特徴です。
そのため、手法によって術後の痛みの程度や腫れの出方にも違いが生じます。ここでは、代表的な手法ごとに痛みの特徴を解説します。
骨移植の場合
骨移植とは、インプラントを埋め込むための顎の骨が不足している時に取り入れられる手法です。骨の移植には、自分の骨を利用する方法と人工の骨を利用する方法があります。中でも、自分の骨を移植する場合、移植する骨を採取するために別の部位を切開しなくてはなりません。そのため、術後は傷口が2カ所に増えて痛みも強くなるのです。
通常のインプラント手術よりも術後の痛みが大きくなる傾向にあることを覚えておきましょう。
歯ぐき移植の場合
インプラントを安定させるためには十分な歯ぐきの厚みが必要です。しかし、歯ぐきの量が不足している場合、歯ぐき移植を行うことがあります。この場合も骨移植と同様、移植のために別の部位から組織を採取するため、傷口は2カ所に増えます。
そのため、術後は採取した部位と移植先の双方で痛みや違和感を伴い、通常のインプラント手術よりも負担が増すのです。ただし、術後は時間の経過とともに回復していくため、処方された薬を正しく使い安静に過ごしましょう。
骨造成手術の場合
骨造成手術とは、骨の厚みや高さが不足している場合に行われる処置で、サイナスリフトやソケットリフト、GBRなどの方法があります。通常のインプラント手術より処置範囲が広くなるため、術後に腫れや痛みが出やすい傾向はあります。
ただし、これは骨が新しくつくられる過程で自然に起こる反応で、多くの方は数日〜1週間をピークに徐々に回復していきます。痛み止めの服用や冷却、安静といったケアで十分にコントロールできることが一般的です。
さとうデンタルクリニック の骨造成では、吸収性の人工骨を使用しています。これは年月とともに自分の骨へ置き換わり、長期的に安定しやすいのが特長です。感染リスクが少なく、自家骨移植のように大きく骨を削らないため、体への負担も軽減できます。さらに、厚生労働省認定施設として自己由来の成長因子(CGF)も活用でき、骨の再生を促して難症例にも対応可能です。安心して治療を受けていただけるよう取り組んでいます。
フラップレス手術の場合
フラップレス手術とは、歯ぐきを切開せずにインプラントを埋め込む手法です。メスを使用しないため、体への負担が大幅に軽減されます。そのため、術後の痛みや腫れが非常に少なく、従来の手術法に比べて回復が早い点が大きなメリットです。
ただし、すべての患者に適用できるわけではありません。そのため、フラップレス手術を希望する場合、事前に精密検査を受け、担当医に相談しましょう。
フラップレス手術の方がオペの難易度が変わるので、歯科医師の技術により、どこまでの症例をフラップレスでできるかが違います。
術後の痛みを抑えるポイント5選
インプラント治療後は、一時的に痛みや腫れが出る可能性があります。その際、適切に過ごすことで症状を軽減できることを覚えておきましょう。
ここでは、術後の痛みを抑えるために実践すべき5つのポイントについて解説します。
痛み止め・抗生物質を飲む
インプラント手術後は、医師から痛み止めや抗生物質が処方されます。これらは、術後の炎症による痛みを和らげたり、細菌の侵入を防いで腫れや感染を抑えたりなど、術後の経過をサポートしてくれる重要な存在です。
もし、中途半端に服用をやめると抗生物質が効かない細菌を発生させてしまう可能性があります。決して自己判断せず、医師の指示通りに最後まで飲み切りましょう。
飲酒・喫煙をしない
手術後に飲酒をすると血流が促進され、炎症や腫れを引き起こしやすい状態になります。さらに、痛みが強くなるだけでなく、出血が止まりにくくなる可能性もあるため、飲酒は控えてください。
また、喫煙すると傷の治りを遅らせるほか、体の防御機能を弱める作用があるため、感染症を起こしやすくなります。その結果、インプラント周囲炎のリスクも高まるため、注意が必要です。術後は症状が落ち着くまで禁酒禁煙を徹底することが重要です。
噛みやすいもの・薄味のものを食べる
治療後の食事は、お粥や柔らかく煮たうどんなど、負担が少なく噛みやすいものを選びましょう。なぜなら、辛いものや酸っぱいものは刺激が強いため、傷口に直接作用して痛みや腫れを悪化させる可能性があるためです。
そのため、味付けはできるだけ薄味にすることをおすすめします。食べる時も歯に負担がかからないよう、治療を受けた側で噛まないようにしましょう。
入浴や激しい運動を控える
手術直後は血流が活発になると痛みや出血が強まるため、入浴や激しい運動は控えましょう。入浴はシャワーで済ませる程度であれば大きな問題はありません。
また、ランニングや筋トレなどの激しい運動も同じ理由で避け、ストレッチ程度に留めることをおすすめします。目安として術後3日ほどは安静に過ごし、徐々に普段の生活へ戻していくのがスムーズです。
口内を清潔にする
インプラント手術後の痛みを抑えるためには、口内を清潔に保つことも重要です。そのため、歯磨きやうがいを丁寧に行い、プラークを取り除きましょう。そうすることで、細菌感染によって発症するインプラント周囲炎の予防にもつながります。
ただし、術後すぐは傷口に強い刺激を与えないように、柔らかい歯ブラシを使うのがおすすめです。もし、セルフケアに不安がある場合、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。
まとめ
インプラント手術は局所麻酔を使うため、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。多くの方が痛みを覚えるのは手術後で、歯ぐきの切開や骨に手を加えた影響による一時的な炎症が原因です。
数日経てば落ち着いていきますが、喫煙や飲酒、刺激の強い食べ物は腫れや痛みを悪化させるため控えましょう。もし、1週間以上痛みが続く場合、インプラント周囲炎の可能性もあるため、早めに歯科医院で受診してください。
さとうデンタルクリニック では、累計10,000本以上のインプラント症例実績を持ち、CTや専用オペ室を備えた環境で治療を行っています。経験豊富な歯科医師が、痛みや不安に配慮した安全なインプラント治療を心がけていますので、初めての方でも安心してご相談いただけます。