インプラントの素材は何が使われている?インプラント体・アバットメントの材質と特徴

インプラント治療では、使用する素材によって耐久性や安全性、見た目の自然さに差が生じます。
そのため、素材の特徴を理解しないまま治療を選ぶと、仕上がりや将来的な満足度に影響が出るかもしれません。
本記事では、累計10,000本以上のインプラント治療実績を持つ「さとうデンタルクリニック」の知見をもとに、インプラントの素材について解説します。
素材の違いを理解し、納得した上で治療を検討しましょう。
インプラントの素材はどこで差が出る?
インプラント治療に使われる素材は、すべて同じではありません。
使用部位ごとに求められる性能が異なり、素材によって見た目や機能面に違いが生じます。
強度や汚れの付きにくさ、色調の自然さなど、重視すべき要素は部位によって変わります。
そのため、素材の特徴を理解し、自分が理想とする口元に近づけることが大切です。
まずは、構造ごとに素材の違いを把握し、納得できる治療方針を固めましょう。
インプラントの3つのパーツ(インプラント体/アバットメント/上部構造)
インプラントは、顎の骨に埋め込むインプラント体、人工歯と土台をつなぐアバットメント、歯の形を再現する上部構造の3つで成り立っています。
インプラント体は噛む力を支える役割を担っているため、強度や骨とのなじみやすさが重要です。
アバットメントはインプラント体と上部構造を結ぶパイプ役であるため、噛み合わせの安定性や力の伝わり方に影響します。
上部構造は見た目への影響が大きく、歯の色や形、透明感が口元の印象を左右します。
このように、パーツごとに適した素材を選ぶと、耐久性と審美性の両立につながるのです。
インプラント体(人工歯根)の素材
インプラント体は顎の骨に埋め込まれ、噛む力を支える役割を担っていますが、素材の違いによって耐久性や安全性に影響するのをご存知でしょうか。
強度や生体親和性、長期的な安定性など、重視すべき要素は多岐にわたります。
ここでは、インプラント体の素材別に特徴を解説します。
素材の特徴を理解し、自分に合うインプラントを見つけましょう。
チタン:身体へのなじみが良く、長年の実績がある標準素材
チタンはインプラント体に最も多く使われる素材で、現在、世界的にもチタン製インプラントが主流です。
チタンは骨と直接結合する「オッセオインテグレーション」という性質をもっているため、骨とのなじみが良く、噛む力に耐えられる強度を備えています。
加えて、日本人の骨格にも適合しやすい角度調整の可能な構造が展開されており、長期的な安定性に優れているのが特徴です
金属アレルギーを心配する方も多いものの、チタンアレルギーは極めて稀とされています。
もし、不安がある場合は、事前にパッチテストを受けましょう。
このように、素材の安全性と実績を重視する場合、チタンは最も現実的な選択肢です。
チタン合金:より高い強度が求められるケースに
チタン合金は純チタンに他の金属を加え、強度を高めた素材です。
その強度の高さから噛む力が強い場合や、骨の状態に配慮が必要な場合に用いられています。
耐久性が高いため、長期間の使用を前提とした治療におすすめです。
一方で、合金に含まれる金属の種類によっては、体質や金属アレルギーへの配慮が必要となる場合も稀にありますので、心配な方は医師に相談をして検討しましょう。
最近のインプラントはこの素材が増えてきています。
特にストローマンなど高級ブランドでは、その流れが強いです。
ジルコニア:金属アレルギーが心配な方のためのメタルフリー素材
ジルコニアは金属を含まない素材で、金属アレルギーを心配される方から注目されることがあります。
ただし、前述の通りチタンによるアレルギーは極めて稀であり、不安がある場合は事前にパッチテストで確認することも可能です。
また、日本人は顎の骨が比較的薄い傾向があり、埋入角度の調整が必要になるケースが少なくありません。
ジルコニア製インプラントは構造上、角度調整の自由度が限られるタイプもあり、適合しづらいケースが多いです。
それゆえに、国内での取り扱いが限られており、基本的に海外からの個人輸入対応となるため、費用が高額になりやすく、将来的な予備パーツの確保もチタン製のインプラント体よりも難しくなります。
骨格との適合性や長期的な管理まで踏まえて検討することが重要です。
インプラント体の構造・形状・メーカー等の種類について、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶インプラントの種類を徹底解説!構造・形状・素材をわかりやすく紹介
アバットメントの素材
アバットメントは、インプラント体と人工歯をつなぐ重要な部位です。
素材の違いは噛み合わせの安定性や耐久性だけでなく、歯ぐきの見た目にも影響します。
インプラント体と比べて目立ちにくい部分ですが、素材選びによって仕上がりの満足度が変わります。
治療の目的や口元の条件に合わせた素材選択が大切です。
チタンアバットメント:奥歯などの強度が求められる部位に
チタンアバットメントは高い強度を備え、噛む力が集中しやすい奥歯に適しています。
耐久性に優れ、長期間にわたって安定した状態を保ちやすい点が特徴です。
インプラント体との適合性が高く、力の伝達が安定しやすいため、噛み合わせのトラブル防止に役立つでしょう。
ただし、歯ぐきが非常に薄い場合や歯ぐきが加齢で痩せた時に金属色が透けて見える可能性がありますので、前歯部ではジルコニアアバットメントを使うことが多いです。
ジルコニアアバットメント:前歯で「歯ぐきの黒ずみ」を防ぐために
ジルコニアアバットメントは白色の素材であるため、前歯など見た目が重視される部位におすすめです。
ただし、ジルコニアは圧縮強度に優れる反面、金属であるチタンと比べると破壊靭性や長期的な疲労耐性では劣るとされています。
そのため、噛む力が強い場合や奥歯で使用する場合は、破損リスクを考慮する必要があります。
審美性だけではなく、噛み合わせや骨の状態を踏まえた判断が重要です。
ハイブリッドタイプ:機能性と審美性を両立する選択肢
ハイブリッドタイプはチタンとジルコニアの特徴を組み合わせた構造を持っています。
インプラント体との接合部にはチタンを用い、外側にはジルコニアを使用する設計が一般的です。
そのため、強度と審美性の両立を目指した素材構成といえます。
噛む力への耐性を確保しながら、歯ぐきの色調への影響を抑えられるでしょう。
ただし、構造が複合的であるため、設計や適合精度、技工物の完成度が治療結果に影響しやすい点には注意が必要です。
人工歯(上部構造)の素材
人工歯は口元の見た目や噛み心地に影響する部分です。
セラミックやジルコニアなど、複数の素材が使われています。
素材ごとに審美性や耐久性、費用の考え方が異なります。
ジルコニアセラミック:最上級グレード
内側にジルコニア、表面にセラミックを焼き付けた素材で、透明感と自然な色合いが非常に優れています。
審美性を最優先したい方に適した最上級グレードです。
金属不使用のため金属アレルギーの心配もありません。
前歯向きです。
オールジルコニア:強度重視
全体がジルコニアで作られた素材で、強度はトップクラスです。
噛む力が強い方や奥歯にも適しており、汚れや着色にも強いのが特徴です。
ツヤが強く、テカリ感がやや出るので、特に前歯では人工的に見える場合もあります。
オールセラミック:審美性と費用のバランス型
全体がセラミックで作られた素材で、自然な白さを再現しやすいのが特徴です。
ですが、強度が弱く、インプラントに用いるととても割れやすいため、インプラントには向いていません。
ハイブリッドセラミック:低価格だが変色しやすい
セラミックと歯科用プラスチックを混ぜた素材で、費用を抑えられるのが特徴です。
ただし強度が低く、経年で変色しやすいだけでなく、汚れも付きやすく、歯周病にもなりやすいので、これをインプラントの上部におすすめする歯科医師はいません。
広告で安価なインプラントの上部でこのハイブリッドセラミックを用いているクリニックには、特に注意してください。
とても壊れやすいです。
メタルボンド:低価格だが金属リスクあり
内側に金属を使用し、外側をセラミックで覆った素材です。
見た目は一定の審美性がありますが、歯ぐきとの境目に金属色が出る場合や、金属アレルギーのリスクがあるため、ジルコニアがでてきた近年は選ばれにくい傾向があります。
また、これらも外側のセラミック部分が割れやすいです。
当院で扱うセラミック素材の特徴や費用等の詳細は、こちらをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
インプラントを入れたらMRI検査は受けられなくなりますか?
一般的なインプラント体はチタン、チタン合金製であり、MRI検査に大きな影響を与えにくい素材です。
そのため、検査を受けられなくなるケースはまずありません。
ただし、医療機関によって確認が必要な場合があります。
検査前にインプラントが入っている旨を伝えておくと安心です。
ジルコニア製のインプラント体は割れませんか?
ジルコニアは硬度が高い素材ですが、強い衝撃や負荷が集中すると破折の可能性もあります。
特に、構造や埋入角度によって負荷が偏ると、トラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。
チタンと比べると柔軟性が低いため、素材の特徴を理解した上で検討しましょう。
すでに入っているインプラントの素材を変えることはできますか?
インプラント体そのものの素材変更は容易ではありません。
なぜなら、顎の骨に固定されているためです。
そのため、交換には外科的処置が必要です。
一方で、アバットメントや被せ物などの上部構造については、状態によって交換が可能なケースもあります。
素材変更を希望する場合は、現在のインプラントの状態や骨条件を含めて、歯科医院での詳しい診査・相談が必要です。
まとめ|インプラントの素材を理解し納得の治療を
インプラント治療では、インプラント体やアバットメント、人工歯の素材によって耐久性や安全性、見た目の自然さに差が生じます。
特に、インプラント体は顎の骨に直接埋め込まれるため、素材選びが長期的な安定性に影響します。
現在の臨床実績や日本人の骨格的特徴を踏まえると、チタンは長期データが豊富で、信頼性の高い素材といえるでしょう。
また、チタン合金もいい素材だと思います。
素材の特徴を理解した上で治療方針を検討すると、後悔の少ない選択につながります。
「さとうデンタルクリニック」では、口腔状態や噛み合わせ、審美性への要望を丁寧に確認し、患者一人ひとりに適した素材選択を提案しています。
初めてでも安心して相談できる体制を整えているため、お気軽にご相談ください。
監修者情報
2013年恵比寿本院を開業。2021年に池袋・西新橋、2025年4月に横浜駅前院を開設し、現在計4院を運営。2019年にはハーバード大学にてインプラント症例発表を行い表彰される。エキテン口コミランキング11年連続1位、楽天リサーチ満足度1位など外部評価も多数。
【受賞・選出実績】- 週刊現代「名医たちが薦めるインプラント歯科医院100」(2024年)
- 医療新聞社「日本の歯科5選の名医」選出(2023年・2018年)
- 楽天リサーチ:都内インプラント・審美治療満足度 第1位(2017年)
- エキテン:口コミランキング 11年連続1位(2013-2024年)
国際口腔インプラント学会ISOI・DGZI、日本先進医療医師会、日本歯科審美学会、POIC研究会、インビザライン認定医


