歯ぎしりがあってもインプラントはできる?長持ちさせる対策とボトックス治療の選択肢

 

歯ぎしりがあると、インプラント治療は難しいのではと不安を感じる方も少なくありません。
実際には、歯ぎしりがあっても治療を検討するケースは多く、適切な対策を組み合わせると長期的な安定を目指せます。

 

本記事では、累計10,000本以上のインプラント治療実績を持つ「さとうデンタルクリニック」の知見をもとに、歯ぎしりが与えるインプラントへの影響について解説します。
さらに、インプラントを守るおすすめ歯ぎしり対策についても解説しているため、歯ぎしりに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

 

歯ぎしりがあってもインプラント治療は可能

歯ぎしりは特別な癖ではなく、昼夜を合わせると、約9割の人が経験している可能性のある生理的な現象です。
睡眠中や集中時に無意識で行われる場合が多いといわれています。
しかし、自覚している方は少なく、診察して初めて歯ぎしりが発覚するケースも少なくありません。

 

インプラント治療は、多少歯ぎしりがあっても問題なく進められます。
ただし、噛む力が強かったり深刻な歯ぎしりがあったりする場合、自然歯やインプラントに負担がかかりやすいため、ボトックスで力を調整するのがおすすめです。

 

 

歯ぎしりがインプラントへの影響する理由

強い歯ぎしりは、自然歯やインプラントに負荷を与える場合があります。
特にインプラントに関しては、天然歯と構造やクッション性が異なるゆえの影響が出る場合もあります。

 

ここでは、強い歯ぎしりがもたらしうるインプラントへの影響について解説します。

 

天然歯と違い衝撃を逃がしにくい

天然歯には歯根膜が存在し、噛む力を分散させる役割を担っています。
歯根膜はクッションのように働くことで、強い力が加わった際に衝撃を緩和しているのです。

 

一方、インプラントは骨と直接結合する構造です。
そのため、力が加わると緩衝機能が働きにくく、天然歯と比較すると衝撃が骨に伝わりやすいです。
そのため、強い歯ぎしりが続くと負荷が蓄積し、かみ合わせの調整がきちんとできていないとインプラント周囲の骨に影響が及ぶ可能性あります。

 

強い力が一点にかかりやすい

歯ぎしりすると上下の歯が強く接触し続ける状態が続きます。
こうして特定の歯に力が集中すると、インプラントにかかる負荷が偏ってしまうのです。

 

その上、噛み合わせのバランスが崩れていると、特定部位への圧力がさらに強まります。
その状態が続くと、インプラント体や周囲組織に負担がかかり、長期的な安定性に影響が生じる可能性もあります。
技術のある信頼できる歯医者に、かみ合わせもよく適合したインプラント埋入をしてもらうことをおすすめします。

 

 

歯ぎしりで起きやすいインプラントのトラブル

歯ぎしりによる強い力は、インプラントの構造や周囲組織に影響を与えます。
一見問題がなくても、内部で負担が蓄積している可能性があるため、ここでは、歯ぎしりで起きやすいインプラントのトラブルを3つ紹介します。
早い段階で発見して悪化を防ぎましょう。

 

被せ物の欠け・割れ

インプラントの被せ物は、噛む力を受け止める役割を担っています。
そのため、歯ぎしりによって強い圧力が繰り返されると、表面に微細な亀裂が生じます。
そして、亀裂が広がると、欠けや割れが発生しやすくなるのです。

 

たとえ天然歯より硬い素材を使用していても、衝撃が集中すると破損のリスクは高まります。
被せ物が損傷すると噛み合わせが変化し、周囲の歯やインプラントにも負担が広がるため、欠けや割れが発覚したら早めに治療しましょう。

 

ネジのゆるみ

インプラントは、内部のネジによって構造が固定されています。
そのため、歯ぎしりによる振動や強い力が加わると、ネジに負荷が蓄積し、ネジが徐々にゆるむ可能性があるのです。

 

ネジがゆるむとカタカタ動いて被せ物が不安定になり、違和感を覚えたり、噛みにくくなったりするケースも少なくありません。
放置するとインプラント周囲炎になる可能性もあるため、少しでも異変を感じた場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

 

インプラント周囲炎の悪化

インプラント周囲炎とは、周囲の歯ぐきや骨に炎症が生じる状態を指します。
インプラントの歯周病というイメージです。
歯ぎしりによって過度な力が加わると、炎症の進行を促す要因となるため注意が必要です。

 

強い力が加わると、骨の吸収が進みやすくなるだけではなく、インプラントの安定性低下にもつながります。
インプラント周囲炎の初期段階は自覚症状が少ないため、日々の歯磨きやフロスを丁寧に行うとともに、自分の歯と同じように、定期的なメンテナンスで確認してもらうと安心です。

 

▶インプラントで歯周病は起こる?周囲炎の症状と原因・正しい対策を解説

 

 

インプラント前に確認したい「歯ぎしり」チェック

歯ぎしりは生物にとってストレスを軽減する為の生理現象なので、ほぼ全員が行っています。
歯ぎしりの強い・弱いは自覚しにくいため、治療前に兆候を把握することが重要です。

 

ここでは、インプラント前に確認したい歯ぎしりチェックを3つ紹介します。
事前にチェック項目を理解し、インプラント治療方針に役立ててください。

 

朝の顎のだるさ・痛み

朝起きた際に顎のだるさや痛みを感じる場合、それは歯ぎしりの影響かもしれません。
睡眠中に強い力で噛み締めると、顎の筋肉に負担が蓄積します。
こうして夜間に筋肉の緊張が続くと、朝起きた時に違和感や疲労感として現れるのです。

 

症状が一時的に消えても、再び痛みが生じるケースもあります。
顎の不調は放置すると噛み合わせの乱れを引き起こし、結果としてインプラントに加わる力のバランスにも影響を及ぼします。

 

歯のすり減り・ヒビ

歯の表面が平らになっている場合や細かなヒビが見られる場合、歯ぎしりの影響が考えられます。
通常の咀嚼では生じにくい摩耗が続くと、歯の形状が徐々に変化するのが特徴です。
摩耗が進むと、歯の強度が低下し、ヒビが拡大すると、破折や欠けにつながります。

 

歯のすり減りやヒビは、周囲の天然歯やインプラントの被せ物どちらにも影響がおよびます。
その上、歯の変化は自分では気づきにくいため、定期的な確認が重要です。

 

詰め物が欠けやすい

詰め物が頻繁に欠ける場合、噛む力が強すぎるかもしれません。
歯ぎしりによる負荷は、詰め物の境目に集中します。
その状態が続くと、接着部分が弱くなり、詰め物が外れたり欠けたりする現象が起こるといわれています。

 

詰め物のトラブルは単なる偶然ではなく、噛む力の問題を示すサインの可能性もあるので、治療前に原因を理解し、適切な対策を検討しましょう。

 

 

インプラントを守る歯ぎしり対策

歯ぎしりによるダメ―ジは無意識下で進行するケースがほとんどです。
そのため、インプラントを守る対策も重要です。

 

ここでは、インプラントを守る歯ぎしり対策を2つ紹介します。

 

ボトックス治療

ボトックス治療は、噛む力そのものを弱める目的で行われる施術です。
歯ぎしりの主な原因となる咬筋と側頭筋に薬剤を注入し、筋肉の過度な緊張を緩和します。
力の発生源に直接作用するため、歯やインプラントにかかる負担を根本から調整できるのが特徴です。
こうして、噛む力が過剰な状態を改善すると、インプラント周囲への負荷を抑えやすくなります。

 

ボトックス治療の咬筋と側頭筋に対する効果について

 

また、ボトックス治療は噛む力を弱めるため、顎関節症への対策としても注目されています。
なぜなら、顎の筋肉の緊張が緩むと、痛みや違和感の軽減につながるためです。
歯ぎしりによる負担を根本から見直したい方は、ぜひご検討ください。

 

さとうデンタルクリニックでは、噛む力や筋肉の状態を丁寧に評価した上でボトックス治療を行っています。
薬剤の量や注入部位を適切に調整し、噛む力の過度な低下を避けながら負担の軽減を図れるでしょう。
ボトックス治療の詳細は、下記ページにてご確認ください。

 

ナイトガード(マウスピース)

ナイトガードは、睡眠中に装着する装置で、歯ぎしりによる衝撃を緩和する目的で使用されます。
歯と歯が直接接触する状態を防ぎ、被せ物や天然歯へのダメージを抑えてくれます。
種類はハードタイプ、ソフトタイプ、デュアルタイプとさまざまであるため、症状に合ったナイトガードを装着しましょう。

 

ただし、噛む力自体は変わらないため、力が強い場合は負担が残ります。
そのため、状態によってはボトックスと併用することも検討しましょう。

 

 

よくある質問(FAQ)

 

ここでは、インプラント治療における歯ぎしりで多く寄せられる質問とその回答を紹介します。

 

歯ぎしりがあるとインプラントはできませんか?

歯ぎしりがあっても、インプラント治療は可能です。
なぜなら、歯ぎしりはほぼ全ての方に見られる現象であり、治療の可否を決定づける要因にはならないためです。
ただし、噛む力が強い場合は負担が増えるため、他の治療法と組み合わせる可能性があります。

 

ボトックスで噛む力が弱くなりすぎませんか?

ボトックス治療は、噛む力を極端に低下させる目的ではなく、過度な力を緩和するために行われます。
日常生活に支障が出ない範囲で調整されるため、食事や会話への影響はありません。
また、基本歯が少なすぎる人などを除けば、噛む力が強すぎる人はいても、弱すぎる人はほとんどいません。

 

歯ぎしりが続くとインプラントの寿命は短くなりますか?

歯ぎしりが続くと、インプラントに加わる負担が増えます。
強い力が繰り返されると、被せ物や周囲組織に影響が生じやすくなります。
そのため、歯ぎしりの自覚症状の有無に関わらず、一度歯科医院を受診しましょう。

 

 

まとめ|インプラント×歯ぎしりは「対策込み」で長持ちする

歯ぎしりがあっても、インプラント治療は十分に検討できる選択肢です。
重要なのは、噛む力の影響を正しく理解し、適切な対策を組み合わせることです。

 

治療前から歯ぎしりの状態を把握し、力の調整や保護を意識すると、長期的な安定につながるでしょう。
専門的な診断と対策をするには、歯ぎしりとインプラントの両方に精通した歯科医院を受診することが重要です。

 

さとうデンタルクリニック」では、噛む力や顎の状態を踏まえた治療方針を提案し、インプラントの安定性を重視した診療を行っています。
歯ぎしりに不安がある方でもお気軽にご相談ください。

 

監修者情報

2013年恵比寿本院を開業。2021年に池袋・西新橋、2025年4月に横浜駅前院を開設し、現在計4院を運営。2019年にはハーバード大学にてインプラント症例発表を行い表彰される。エキテン口コミランキング11年連続1位、楽天リサーチ満足度1位など外部評価も多数。

【受賞・選出実績】

  • 週刊現代「名医たちが薦めるインプラント歯科医院100」(2024年)
  • 医療新聞社「日本の歯科5選の名医」選出(2023年・2018年)
  • 楽天リサーチ:都内インプラント・審美治療満足度 第1位(2017年)
  • エキテン:口コミランキング 11年連続1位(2013-2024年)

【所属・資格】

国際口腔インプラント学会ISOI・DGZI、日本先進医療医師会、日本歯科審美学会、POIC研究会、インビザライン認定医